カリウムの働きと1日の摂取量
カリウムとは
大部分は細胞内に存在し、細胞外液に多いナトリウムと相互に作用しながら、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持したりするのに重要な役割を果たしています。
カリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります。
カリウムの1日の摂取基準量2)3)
日本人の食事摂取基準(2015年版)では、体内のカリウム平衡を維持するために適正と考えられる値を目安量として設定しています。18歳以上男性では1日2,500mg、女性では2,000mgです。また現在の日本人の摂取量を考慮した、高血圧の一次予防のための目標量として、18歳以上の男性では、3,000mg、18歳以上の女性では、2,600mgが設定されていますが、世界保健機構(WHO)が2012に提案した高血圧予防のために望ましい摂取量は成人で1日に3,510mgとされています(表)。
また、腎機能が正常であり、サプリメントなどを使用していない場合は、通常の食事で過剰症になるリスクは低いと考えられるため、耐容上限量は設定されていません
目安量:一定の栄養状態を維持するのに十分な量であり、目安量以上を摂取している場合は不足のリスクはほとんどない。
• 目標量:生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。
平成27年国民健康・栄養調査結果におけるカリウムの1日の摂取量は平均で2,294.8mgでした。
カリウムが不足するとどうなるか1)4)
カリウム欠乏の主な症状は、脱力感、筋力低下、食欲不振、骨格筋の麻痺などがあります。